イベントレポート:2023 「Innovation Imperative – イノベーションの必須条件」~Miroの製品ビジョン「Miro で明日を切り拓く」前編
公開日 2023年10月30日 最終更新日 2023年11月24日
2023年10月12日(木)13:00、東京日本橋でMiroグローバルイベント「Innovation Imperative – イノベーションの必須条件」が開催されました。このイベントは8つのグローバルの主要都市で開催され、イノベーションの現状を取り巻く最新の調査ベースのトレンドと組織内のイノベーション・プロセスを改善する戦略について、日本の代表的企業のみなさまによる組織変革の状況やイノベーションについてのディスカッション、Miroの製品ビジョンなどが発表されました。当日のアジェンダは、こちらをご覧ください。
本レポートでは、当日のプログラムのうち、Miro Chief Operating Officer(最高執行責任者 兼 最高製品責任者)Varun Parmar (ヴァルン・パーマー)により発表されたMiroの製品ビジョン「Miro で明日を切り拓く」の内容について前・後編に分けてご紹介します。尚、本セッションにはリリース前の機能についての説明が含まれます。リリース予定日の変更や、リリース時には名称や機能が変わる可能性がありますのでご了承ください。
本レポートでは、当日のプログラムのうち、Miro Chief Operating Officer(最高執行責任者 兼 最高製品責任者)Varun Parmar (ヴァルン・パーマー)により発表されたMiroの製品ビジョン「Miro で明日を切り拓く」の内容について前・後編に分けてご紹介します。尚、本セッションにはリリース前の機能についての説明が含まれます。リリース予定日の変更や、リリース時には名称や機能が変わる可能性がありますのでご了承ください。
前編は、こんな方に必見です
- 製品開発のリリースサイクルを早めたい方
- ハイブリッドな働き方をエンゲージメント高く保ちたいマネジメントの方
- AIを生産性向上のために活用したい方
- 「戦略と計画」「顧客中心のソリューション設計」「反復的な製品とサービスの開発」の3つにピンとくる方
- Google Jamboardの提供終了後のMiroの対応が気になる方
Miroの製品ビジョン「Miro で明日を切り拓く」後編はこちら
ペプシコ様がMiroを活用して3年かかる製品リリースを10ヶ月に短縮!組織の生産性向上について様々な側面から考えてみたい方にご一読いただきたい記事です。
Miroの製品ビジョン「Miro で明日を切り拓く」前編で分かること
セッション概要
- Miroのミッションは、「組織やチームが次の大きな成果を生み出す力になる」こと
- Miroは世界6,500万人の皆様に愛されるツールに成長
- ペプシコ様は、Miroを活用して3年かかる製品リリースを10ヶ月に短縮
- クリエイティブなアイディアを創出するだけでなく、早く市場にだすということもイノベーションだと知ってほしい
- Miroは「イノベーションのためのワークスペース」に
- 代表的なユースケースは、「戦略と計画」「顧客中心のソリューション設計」「反復的な製品とサービスの開発」の3つ
- 注力機能は、「ワークショップと非同期コラボレーション」「MiroAI」「製品開発ワークフロー」「ダイアグラムとプロセスマップ作成」の4つ
- 企業の求めるポリシーや要求に応えるエンタープライズ基盤
機能
- 「ワークショップと非同期コラボレーション」
- GoogleがJamboardの提供終了を発表、パートナーシップによりMiroへの移行をサポート
- デモ:「対面とリモート」、「同期と非同期」といった最近のハイブリッドな働き方をエンゲージメント高く効率化するTalktrack拡張機能
- 「MiroAI」
- デモ:顧客フィードバックを収集分析する典型的な利用場面で、瞬時に分析し、手動作業を削減するセンチメント(感情)分析
Miroの製品ビジョン「Miro で明日を切り拓く」前編
みなさん、本日はご来場いただいてまことにありがとうございます。(日本語で)「お会いできて大変光栄です」
Miroのミッションは、組織やチームが次の大きな成果を生み出す力になることです。我々は現在、6,500万の方にお使いいただけるツールに成長しました。また、日本では本日ご登壇いただくデンソー様、三菱電機様、ニコン様、ソニーグループ様をはじめとする企業のみなさまにもお使いいただいていること、厚く御礼を申し上げます。まずは、我々のお客様であるペプシコ様が、Miroを使って中国市場の健康志向を持ったお客様に向けてどのように製品を開発しリリースしたか、短い動画でご覧ください。
ペプシコは3年かかる製品リリースを10ヶ月に短縮。素早いリリースもイノベーションにつながると知ってほしい。
ペプシコ様のグローバルチームは、1つのボードに全ての情報を集約し時差を越えて集まることで、通常3年かかる製品リリースまでのプロセスを10ヶ月に短縮しました(※あるチームは朝、別のチームは夜にそれぞれで仕事を進めています)。
「サイロを抜け出し、同じものを見て仕事をする」ことがイノベーションや進化を生むためにいかに大切かが分かります。
私のプロダクトマネジメントの長いキャリアの経験から特にみなさんにお伝えしたいことは、新たなアイディア創出だけがイノベーションではないということです。もしも顧客観察から得た発見やインサイトがあるのなら、早く顧客に届けるための努力をする、ということも非常に価値の高いイノベーションを生むのです。
Miroの歩んだ道のりもイノベーション
顧客のインサイトやフィードバックを得てそれに答えながら進むことは非常に重要で、Miroもそうしてきました。
始めは「ホワイトボード」というコンセプトで2011年にスタートしましたが、次第にブレインストーミング、アイディア創出、戦略検討、実行計画など、ユースケースがどんどん増え、2018年頃には「ホワイトボード」はそのうちのひとつのユースケースに過ぎないまでになりました。そして今年、我々はMiroを「イノベーションのためのワークスペース」と定義しました。見逃せないブレイクスルーである生成AIの搭載により、プラットフォームとしての可用性が増しています。本日はそれらのMiroの機能と価値をご一緒に見ていきましょう。
イノベーションのためのワークスペースとは
さて、では「イノベーションのためのワークスペース」とは、どのようなものでしょうか。
大きく分けると、(下のスライドの一番上にあるような)3つのユースケースがあります。一番左に「戦略と計画」。年間計画、半期計画など、企業全体の戦略や投資をひとつのボードにマッピングし、何に優先順位を置くべきかを考えていくようなものです。
真ん中に、「顧客中心のソリューション設計」。これは、代表的にはカスタマージャーニーマップなどで、一部の部署で非常によく使われています。顧客の得ているものや体験から鑑みて、プロダクトの成功とはどのようなものであるのか道筋を描いていくような使われ方です。デジタルでの体験であることもあれば、対面での体験であることもありますが、オムニチャネルの体験設計も見られます。
最後に、「反復的な製品とサービスの開発」です。アジャイル開発で行われるふりかえりや大部屋(※PIプランニングを含む複数のチームによる大規模な開発)、開発計画など、Miroに開発における全ての記録を残し、チームのHubとなるような使い方です。
これらの大半のユースケースを支える機能があり、ベースには企業にとって重要なセキュリティやコンプライアンスを遵守するための基盤があります。イノベーションを進める企業の知的財産情報がMiro上に保有されることになりますので、企業の求めるポリシーや要求にしっかり応える機能を提供します。
これらのなかで我々はいくつかの領域に注力していますが、本日はそのうちの4つの機能と、セキュリティーやコンプライアンスでなされるアップデートについてご紹介します。
ワークショップと非同期コラボレーション
ここで少し昨今の働き方の変化についての洞察をお話しましょう。
パンデミックの間、多くのコミュニケーションが100%在宅、かつ同時でのコミュニケーションで行われていました。スケジュールが会議、会議でぎっしりと詰まり、少し誰かと話をするにもメールやチャットで会議の招待状を送り15分会う、誰かと繋がっていたい、オフィスで仕事をしているのと同じようにしたいという欲求がそうさせていたのではないかと思います。しかし最近ではオフィスとリモートとのハイブリッド形式が浸透し、コミュニケーションも同期であったり非同期であったりします。
場所や時間が違っても効率的に仕事を進められる「働き方の融合」をサポートしたい
そこで我々は、このような混合型の働き方の体験をサポートするために、主に2つ、ひとつは「対面とリモート」、もうひとつは「同期と非同期」の働き方を向上させるための機能を提供することにしました。
1.対面とリモート
例えば、本日も会場外に展示がありますが、会議室では大型のディスプレイに投影したMiroに直接書き込み、リモートで参加しているメンバーはタブレット等でアクセスするといった方法です。
Googleと提携し、 JamboardからMiroへの移行をサポート
先日、GoogleはJamboardの提供を終了する旨を発表しました。MiroはGoogleと提携し、Jamboardをお使いのお客様はシームレスにMiroに移行することができ、また、JamboardがサポートするデバイスをMiroのディスプレイアプリでも利用できるように対応を進めています。
2.同期と非同期
我々がお客様とお話するなかから得られた貴重な洞察で、同時に仕事をする時間の重要性が増している、ということがあります。多くのお客様が「非同期でも進められる仕事は、なるべく非同期で済ませられるようにしたい」とおっしゃっています。もし会議をするのであれば、会議で話す価値があるだけの成果を最大化したいし、そうすることで会議時間を削減したい、ということです。
その洞察から我々が考えたのは、矛盾した問いですが「今まで会議で同時に行ってきたことを、非同期に実行することはできないのか?」ということです。
会議に存在するものといえば、ひとつには「視覚的な手応えやリアクション」の様子といった視覚的な効果があります。例えば私がどう話しているのか、みながどう感じたかのフィードバック。もうひとつは、「協調したエンゲージメント」です。例えば私が何かを発言する、あなたも発言する、他の人がそこにかぶせて発言し、議論を作り上げていくということです。
説明を録画できるTalktrackに追加される2つの支援機能
そこで今日は、おそらく会場のみなさんにもご体験されている方がいらっしゃるかもしれませんが、Talktrack(※録画機能)に追加される予定の新機能をご紹介します。ひとつは「リアクション」、もうひとつは「シャウト」、つまりコメントができる機能です。
デモでお見せしましょう。
ここにプロダクトマーケティングマネージャーのソフィアが録画したTalktrackがあります。何人、誰が視聴したかも表示されます。(※Miroボード右上のバーにある、真ん中に●が欠かれた四方を「」で囲われたTalktrackアイコンをクリックすると録画済みのTalktrackの一覧、およびTalktrackを録画するためのボタンが表示されます。)
再生が開始されると、一番下に進捗バーが表示され、誰がどうリアクションしたかも表示されています。もちろん、私もあなたも新たにリアクションすることができます。
同様に、誰かがコメントした内容も確認できます。これらが、前述した「協調したエンゲージメント」に呼応する機能となります。
こうして、(今まで同時に出席することでしか成し得ないと考えてきた体験を、)誰もが別々の時間に非同期に体験することができます。これらは機能としては小さな拡張に過ぎませんが、例えばTalktrackのURLをチームメンバーにシェアしてフィードバックを依頼することで会議時間を削減し、メンバー全員の自由時間を増やすことにつながるでしょう。
TalktrackをMiroverseテンプレートでご体験ください
イギリスのファッション小売会社のASOS様はTalktrackベータ版に初期から参加しており、Miroverse(※Miroユーザーがテンプレートを公開できるコミュニティ)で公開したプロダクト開発に関するテンプレートの説明をTalktrackを通じで行っていますので、ぜひ検索してご覧ください。
まとめ
ワークショップやコラボレーション、対面やリモートで働く(※場所の違い)や、同期や非同期で働く(※時間の違い)混合チームのバランスを取るときに、効率的で、かつエンゲージメントを保てるような仕事の進め方にお役立てください。
Miro AI
次に、Miro AIについて見ていきましょう。Miro AIをご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、今年2023年の3月、我々はいくつかのMiro AIの機能群をリリースしました。
そのいくつかの典型的なユースケースから、ひとつMiro AIが大変有益に働くモデルケースをご紹介します。
それは、顧客のインサイトを集めて、それらをセンチメント(※否定的、中立的、効率的)分析であったり、インサイトの内容であったりグルーピングして整理していくような場面です。Miro AIはそれらの一連の作業を自動化し、手動作業の手間を削減します。
ここに、Miroボードに埋め込まれた顧客から送信されたフィードバックフォームの結果があります。(※例えばGoogleフォームで収集したGoogle SheetのURLを貼り付けることで、簡単に表計算結果をMiroボードに埋め込むことができます。)
クリックして開き、Miroボードで分析したいフィードバックの一覧をコピーします。
表もしくは付箋の形式で貼り付ける選択肢が表示されるので、「Stickey notes(付箋)」を選択します。(※この機能はMiroボードに埋め込んだGoogle Sheetのデータだけでなく、PCローカルで開いたMicrosoft ExcelやCSVのデータをコピーする場合にも利用できます。)
(※日本語のUIでは以下のようなメニューが表示されます。まだMiroを日本語でお使いではない方は、ぜひプロフィール画面から言語を日本語に設定してご利用ください。)
すると、全てが付箋の形式でMiroボードにペーストされます。
ここからが、Miro AIのマジックです。
全ての付箋を選択した状態でMiro AIのメニューを選択し、コンテキストメニューからCluster by sentimentを選択します(※日本語設定では、感情ごとにクラスター化する)。
少し待つと、これらの顧客フィードバックを中立的、否定的、肯定的なカテゴリーにMiro AIが自動的に分類してくれます。
こうして瞬時にMiro AIがカテゴライズしてくれた後は、自由に付箋を動かし、さらに分類・分析を進めることができるでしょう。
MiroAIのさらなる機能、プロダクト開発、セキュリティに関する見逃せない内容が後編に続きます。
Miroは、世界で7,000万人が利用し、23万以上の企業が採用しているイノベーションワークスペースです。組織が生産的に業務を進めるための多くの機能とエンタープライズ水準のセキュリティを備え、日本では120万人以上に幅広くご利用いただき、TOPIX100の60%以上の企業に採用されています。試験的に導入してみたい、説明を聞いてみたいなどのご要望がありましたら、お気軽にお問合せください。